青春時代のいい思い出

青春時代のいい思い出

大家のお婆さん 青春時代の思い出
 時は、昭和40年前後のこと。

 私は、とある件の郡部に住んでいました。県庁所在地がある都会に出るには、徒歩とバスを利用して、約3時間ほどかかります。

 地元の中学を出ても、その頃のこと。殆どの方が、地元の高校に行かれました。

 しかし、私の実家はその頃は余裕があったというか、父母の教育方針と言うか、県庁所在地の私立の女学校に通わせてもらうことになりました。

 だが、女の子を預けるからには、それなりに信頼できる所と言うことで父が見つけてきた下宿は、遠縁のお婆さんが一人暮らしをされている本来は個人のお宅の二階です。

 しかし、これでも、お婆さんは大家さんで、私はひとりだけの店子。居候というわけではないですから、家賃はきちんと払っていたようです。

 そのお婆さんがしっかりしていました。と言うのは、心身ともに達者で、親そこのけの躾をされるのです。

 それは、衣食住の全てにわたっていました。

 都会が嬉しくて、休日にははしゃぎたいのですが、私服の色柄とか、化粧(もっとも、化粧などはさせてもらえませんでしたが)、食事の際の箸の上げ下ろしに至るまで、生きた教師です。

 その方のおかげで、高校時代の三年間に、親からは甘やかされてきたと思う私ですが、厳しく躾られ増した。

 その方は、もう亡くなられましたが、これも、青春時代のいい思い出。

 いい大家さんと言う以上に、大切な人だったと思い返す朝です。